中国とロシアの爆撃機が、沖縄周辺を通過した後、東京方面へ向かう異例の飛行ルートを共同で飛行していたことが明らかになった。
飛行した中国軍の爆撃機は、**核弾頭搭載が可能とされる戦略爆撃機「H6K」**で、日本政府と自衛隊は警戒を強めている。
今回の飛行は、単なる訓練や偶発的なものではなく、明確な軍事的メッセージを含んだ行動と見られています。
中国・ロシア爆撃機が取った異例の飛行ルート
今回確認されたのは、中国軍のH6K爆撃機2機と、ロシア軍のTu-95爆撃機2機が、護衛戦闘機とともに日本周辺を飛行したケースだ。
飛行ルートは次のような特徴を持っていた。
- 沖縄本島と宮古島の間を通過
- 太平洋へ出た後、北東方向へ進路変更
- 日本列島に沿う形で四国沖まで接近
- 進路延長線上に東京と横須賀基地が位置
これまで中国軍爆撃機は、宮古島沖を抜けた後、米軍拠点があるグアム方面へ向かう飛行が主流だった。
今回のように、日本列島に沿って東京方面へ向かうルートは極めて異例であり、中露両軍が同時に行ったのは初めてとされる。
なぜ東京方面へ向かったのか
この飛行の目的について、自衛隊関係者や専門家は、実戦行動ではなく示威・威嚇行為との見方を示している。
考えられる狙いは以下の通りだ。
- 日本の中枢に近い東京を射程に収められる能力を示す
- 日米同盟の軍事拠点に対する圧力
- 横須賀基地の存在を強く意識した牽制
- 台湾情勢を巡る日本政府の姿勢への反発
特に、進路の延長線上に海上自衛隊および米海軍の横須賀基地が位置している点は、偶然とは考えにくい。
H6K爆撃機とは何か|核搭載は可能なのか
H6K(轟6K)は、中国空軍が運用する戦略爆撃機で、旧ソ連製Tu-16をベースに大幅改良された機体だ。
H6Kの主な特徴は以下の通り。
- 空対地巡航ミサイル「CJ-20」を搭載可能
- ミサイル射程は1500km以上
- 核弾頭の搭載が可能とされている
- 日本全域が理論上の射程圏内
このため、能力上は東京や横須賀基地を攻撃できる手段を持っていると評価されている。
東京を実際に爆撃する可能性はあるのか
現時点で、東京への直接的な爆撃が差し迫っている状況とは考えられていない。
理由としては、
- 実際の攻撃は国際秩序を大きく揺るがす行為
- 日米の防空・迎撃体制が常時展開されている
- 今回の飛行は領空侵犯ではなく公海上の行動
といった点が挙げられる。
ただし、「攻撃可能な能力を保有していることを示す」こと自体が強い威嚇であり、軍事的な意味は極めて大きい。
横須賀基地が示威対象となった可能性
飛行ルートの先には、
- 海上自衛隊 横須賀基地
- 米海軍 横須賀基地
が存在する。
横須賀基地は、在日米軍の中枢であり、台湾有事や朝鮮半島有事の際にも重要な役割を担う拠点だ。
今回の飛行は、日本単独ではなく、日米同盟そのものへの圧力を意識した行動と見る専門家も多い。
台湾有事と今回の飛行の関係
台湾有事が発生した場合、日本は次のような影響を受ける可能性がある。
- 在日米軍基地の使用
- 日本周辺での軍事活動の活発化
- 中国による示威行動の増加
今回の異例ルート飛行は、台湾問題と日本の安全保障が切り離せない関係にあることを示す動きとも受け取られている。
日米はどのように対抗しているのか
中国・ロシアの動きに対し、日米は抑止姿勢を明確にしている。
- 米軍のB52戦略爆撃機(核搭載可能)
- 航空自衛隊のF35戦闘機
- 航空自衛隊のF15戦闘機
による共同訓練を日本海上空で実施し、即応能力と連携を誇示した。
今回の飛行が示す日本の安全保障環境
今回の事案は、すぐに武力衝突が起きる兆候ではない。
しかし、日本周辺の安全保障環境が、より緊張した段階に入っていることを示す象徴的な出来事と言える。
今後は、
- 同様の異例ルート飛行の継続
- 中国・ロシアの軍事連携の深化
- 台湾情勢の変化
といった点を注視する必要がある。
まとめ
- 中国・ロシア爆撃機が東京方面へ異例ルートで共同飛行
- 核搭載可能なH6Kが含まれていた
- 実戦よりも示威・威嚇の意味合いが強い
- 横須賀基地と日米同盟を強く意識した行動
- 台湾有事と日本の安全保障は密接に関係している
今回の飛行は、日本の安全保障を考える上で重要な転換点となる可能性がある。